私立の「きのくに子どもの村学園」公立の「伊那市立伊那小学校」「世田谷区立桜丘中学校」。
それぞれ校風も授業内容も異なりますが、” 子どもファーストな学校” という共通項があります。
様々な行事を子どもたちが企画進行する、校則を減らすなど、
「公立学校でもできるヒント」が映画には満載です。
” 子どもファーストな学校” が全国に増えていくことを願って、この映画はつくられました。
学校法人「きのくに子どもの村学園」は、
文部科学省の学校教育法に準じた正規の学校法人として、
県知事が認可した私立学校です。
不登校児のためのフリースクールではなく、
高校、大学への進学率も高い普通の学校です。
いきいきと体験学習に夢中な子どもたちがあふれています。
「子どもが主役の自由な学校」に共感した保護者たちが熱く支持して
子どもを通わせています。
最初に「きのくに子どもの村学園(和歌山県)」が創設され、
「かつやま子どもの村小中学校(福井県)」
「北九州子どもの村小中学校(福岡県)」
映画の舞台となった「南アルプス子どもの村小学校(山梨県)」
「ながさき東そのぎ子どもの村小中学校(長崎県)」
地域の要望に応え全国に広がっています。
子どもの村では、感情、知性、人間関係のいずれの面でも
「自由な子ども」に育つために
3つの点を大切に考えています。
毎週開かれる全校集会では、小学1年生も、
教師も、学園長も平等にひとり1票です。
「学校でスマホを使ってよいか」などの重要な立案は、
「多数決」ではなく、納得できるまで
何ヶ月もかけて全校集会で決めていきます。
個性や個人差を尊重します。
同じことを同じ方法で、同じペースで、同じ答えに向かって
学習する授業ではありません。
本の勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が
重視されます。
「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が時間割の半分を占めています。
子どもは好きなプロジェクトを選んで1年間所属します。
伊那小学校では「総合学習」を中核に位置づけ、
はじめに学ぶべき内容があるのではなく、
子どもの求めや願いかに添って学習を展開することで、
子ども自身に学ぶ力が育ち主体的な学習が
できると考えています。
そうした理念から、1956年に「通知表」を廃止。
以来65年間、校長が変わっても通知表がありません。
固定化された時間割や、チャイムがなく、子どもファーストの教育が続いています。
山羊や豚を飼う、毎日のように森に行く、などの体験は、
子どもたちの目を輝かせ、教師は一緒に育っていきます。
公立小学校でも、ここまで自由に
学習スタイルを変えられるのです。
西郷孝彦先生は、大田区、世田谷区で数学と理科の教員と教頭を歴任。
2010 年から10年間世田谷区立桜丘中学校の校長を務めました。
在任中に子どもファーストの視点で学校を改革。
「定期テスト」を廃止して、小テストに変え、校則を3つまでに減らし、服装も髪型も自由な公立中学校に改革しました。
生徒の管理を強化することより、子どもたちを自由にすることで、
生徒の平均学力は著しく上がりました。
ひとりの校長が、ここまで学校を変えることができるのです。